2008年7月18日 (金)

北の大地

Photo  しばらく東京を離れ、北の地に行ってきました。6月中旬までは夜になると震えるくらい寒く感じましたが、それだけに空気が澄んでいて、夜は満天の星、東京地方に育った私は、北海道に来て初めて天の川を見ました。私の写真技術では夜空は無理なので、羊蹄山の朝焼けを撮りました。現実の景色は写真より綺麗です。

  北海道は広く、この写真を撮った洞爺湖周辺から札幌までバスで2時間近くかかります。しかしそれよりも驚いたのは、日の出はともかく、午前3時少し前に夜が明けてしまうことでした。夕方もなぜか、午後8時くらいまで外は明るいままでした。気温が高くても湿気が感じられず、日中は快適でした。北海道旅行に人気がある理由がよく分かりました。

Dsc08581_2   出張中の休みに小樽を散歩してきました。有名な小樽運河は500メートルくらいの長さで、川辺に立ち並ぶ倉庫は、ほとんどがレストランかお土産屋さんで、川は運河として機能していませんでした。ちょっと残念です。市内に鉄道の廃線を利用した遊歩道があり、レールにカメラを置いてパチリ、少し視点の違う写真が撮れました。

Photo_2   小樽と言えば寿司とガラスですね。結局、ただの観光客をしてしまいましたが、一日ゆっくりと店回りをすることができました。「北一ガラス」のビールジョッキを見てどうしても欲しくなり、買ってしまいました。これにビールを注ぐとちょっとグロですが、やっぱり缶のまま飲むより数段旨く感じます。この他、ガラス球で作った「賢いフクロウ」という置物がシンプルな中でも可愛げがあって良かったんですが、こんなモノに2万円近い金をかけたことが妻に知れたら怒られそうなので買いませんでした。買ってこなかったことを東京に戻って後悔しています。ちなみに、写真のジョッキは4,000円です。

  小樽には「ルタオ」と「六花亭」というチョコレート屋さんが流行ってますね。私は個人的には六花亭の方が好きですが、ルタオの店員さんが「東京では売っていません」と言うので何点か自宅へ送ったところ、大変好評でした。どちらかと言うと大人の味です。

  小樽は土産物、魚、メロン、ガラス、装飾品、チョコレートやケーキ店と色々なお店が広い範囲にあって、男の私でも見て回るのが楽しいと思いました。札幌の二条市場では店の人がうるさくて、落ち着いて品物を見ることもできませんが、小樽には程よい距離があって、楽しい買い物ができました。

  お題は「雑学」のブログですが、せっかく北海道に行ったので、写真も付けて日記風にしてみました。

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2008年6月 5日 (木)

風徐室

北関東から北海道にかけて、玄関の外側にガラス張りの2~3畳サイズの部屋が付いている家がありますが、私は長い間、雪国の人が服に着いた雪を払い落とすのに使うものだと思っていました。

秋田県に出張した時、地元の人はこれを「風除室(ふうじょしつ)」と呼んでいるのを聞きました。玄関を開けると外の風が家の中に入って寒いので、一旦風除室に入ってガラス戸を閉めてから玄関を開ける、とのことでした。やっぱり聞いてみるものですね。

それでは、この風除室は建築面積に入るのかな、入るとしたら税金面や建築規制の厳しいところでは建築プランで面倒なことになりそうだな、と思いましたが、「大抵の人は後から付けるんですよ。」とのことでした。

北国の知恵を感じます。

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2008年5月29日 (木)

なかなか、ありません・・・

  通勤の皆さん、電車の席はどこを選びますか?寒気が厳しい季節は隙間風が気になりますし、落ち着きのない人が隣に座ると腕が当たって気まずい思いをしますよね。雪の降る季節は暖かい席が良いですね。そういう場合ロングシート式電車では、進行方向左側の座席の、シートに向かって右端の席が快適な時間を与えてくれます。

電車のドアは車体との間に隙間があるので、寒い外気はドア扉を収める戸袋でUターンして室内を進行方向に向かって噴き出します。冬の車内でドアのところに立ったり、ドアより進行方向前方の座席に座ると、コートを着ていても寒いことがありますから、温かい時間を過ごすためにはドアより進行方向後ろ側の座席に座る必要があります。そうすると、一車両にドアが4ヶ所ある4ドア電車では、温かい席は8つです。

隣に座る人はどうでしょうか。ドスンと座る人、平気で新聞を広げる人、狭い所に敢えて座り、肩や腕を無理やり入れてくる人、こんな人が隣に来たら立てば良いのです。朝からけんかをしても遅刻するだけですから。今日は、普通の「隣人」を考えましょう。

人は雑誌や新聞を出し入れするのは大抵右手ですから、自分がシートの最も左を占める位置、つまりシートの左端(シートに向かって右端)が、隣人とトラブルを起こしにくい安心な座席です。左利きの人もいるので必ずしも正解でないかも知れませんが、私はここに座って隣の人が気になったことはありません。そうすると、ドアより進行方向後ろ側でシートの左端、簡単に言えば進行方向左側の座席の、シートに向かって右端の席ならドアからの寒気も受けず隣人の右腕も気にならない「朝の快適席」になります。快適席は少ないです。4ドア電車で4ヶ所しかありませんし、いわゆる「優先席」シートが一車両あたり2ヶ所はあるので、更に減ってしまいます。

始発電車に乗る人は別として、数少ない快適席を勝ち取るためには、この席に座っている人の中から「途中で乗り換える」顔ぶれを覚えるしかありません。私はこの「面割り」を男性に限定しています。なぜなら細身の女性の後は、席が狭いからです。

これから暑くなる季節に「暖かい快適席」の話をしても仕方ありませんが、真冬にこんな提案をして大混乱させてはいけないので、敢えてこの時期にお話ししました。皆さんも、寒くなったらご検討ください。

  ロングシート式電車~中央線快速、総武線緩行電車、山手線、西武線、東武東上線その他大半の路線がそうですね。私は、ロングシートでないのは東京モノレール、南北線くらいしか知りません。そう言えば、都営大江戸線は地上に出ないのに、どうして運転席にワイパーが付いているのでしょうか?まっ、どうでもいいことですが。

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2008年5月25日 (日)

事件報道雑感

55歳の裁判官が、山梨県内の裁判所で勤務していた当時、部下であった女性職員に「今度、いつ会えるかなあ」、「今、何をしているの」等というメールを自宅やネットカフェから送信していたことで、ストーカー規制法違反容疑で逮捕された報道がありました。容疑者である裁判官も「ストーカーメールのようなものは送ったが、恋愛目的ではなかった」と、一部容疑を認める話をしているそうですから、事実だったのでしょう。この裁判官に対する論評はともかく、裁判官のあり方については改善の余地がありそうですね。

一般社会では、就職した新人は誰でも先輩上司や取引先から色々教わりながら試行錯誤を繰り返して一人前になって行くのに対し、裁判官は採用当初から人の上に位置しています。いい歳をして部下の女性が気味悪がるメールを秘かに送信する行為が社会人として許されるかどうか、分かってないんですね。裁判官は法的に独立した立場であって、仕事上の不都合があったとしても誰も注意しないのではないでしょうか?

裁判官にも定期的に、自動車や住宅を売り歩く営業社員をやらせてみたり、飲食店での接客業をさせてやれば、「人の心」というものが理解できるのではないでしょうか。

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2008年5月21日 (水)

事件報道雑感

福岡県警の50歳代巡査部長が、いわゆるデリヘルの経営に関与し、少女売春をさせた、との容疑で逮捕されました。また、東京では40歳代巡査長が、独身寮に配達された同僚名義のクレジットカードを使って大阪市内でパソコンを「購入」しようとした詐欺未遂などの容疑で逮捕されました。

何れも、職務熱心な余り「やり過ぎた」失敗ではなく、職務外の利益を狙った犯行です。今は起訴前の段階であり公判も開かれていないので真実は分かりませんが、調べに対しある程度容疑を認める供述をしていることから、間違いないだろうと思います。

「社会の模範たる警察官なのに」とか、「取り締まる立場を忘れての犯行」という論が起こりそうですが、巷のちょっと素行の悪い安サラリーマンであれば、「金になれば良い!」という思考によってやってしまいそうです。例えば、街でけんかをして殴られたら警察に訴えて示談金を取ろう、的な発想の人が多いことも事実で、世の中金になれば何でもいい、という風潮が蔓延しています。

きちんとした勤めをすると規則がうるさいから、フリーターのままで好きな時だけ働くプータローやニートが増加して社会問題化しつつありますね。フリーターやネットカフェ難民と称する人たちの日常の意識は、「良い仕事をして人に認められたい」との思いとかけ離れていることは、バイト君を使ったことのある人なら皆さん感じている筈です。

警察官がデリヘル経営に関与したり、カード詐欺をすることは悪いことですが、根本的問題は、警察官にフリーターや安サラリーマン並みの低レベルの発想を持たせてしまった、彼らの職場のあり方ではないかと思います。

警察署長は1年余りで異動し、警察本部長もその程度しか在任しませんから、上に立つ幹部は長期的展望に立った改革をすることは避けて、その場しのぎの対策、例えば職員の家庭訪問やOB警察官の講演会を開催したり、でお茶を濁していることは時折報道されるとおりです。思い切って、警察本部長以下の偉いさんの任期を5年か10年にしてみたらどうでしょう?弊害もあると思いますが、結構地に足の着いたいい改革ができるかも知れません。

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2008年5月18日 (日)

読後感

「その日の吉良上野介」池宮彰一郎・角川文庫

私は短編集をあまり読まないのですが、赤穂浪士と吉良家の関係に的を絞ったこの作品集を書店で見た途端、思わず買ってしまいました。年末になると「大忠臣蔵」などと題するテレビ番組が流行していたのを子供のころから見てきた結果、赤穂浪士の討ち入りは「賄賂を貪る悪玉の吉良上野介に対し、切腹して果てた亡き殿の無念を晴らす義挙」との印象を持っていました。

この物語では、幕府の儀式典礼を司る吉良上野介は、幕府側として天皇の使者をもてなす勅使御馳走役の浅野内匠頭に手違いをさせないために奔走する場面が随所に現われています。18年前に同じ役目を果たした浅野は今回、接待場所である江戸城中の伝奏屋敷に「手配万端を整え」て吉良の確認を受けましたが、長い間のかなりの変更点、例えば勅使到着時の茶の接待と茶碗の贈呈という追加、その時の御馳走役の座る位置の変更、旗本古老の武辺噺の廃止などまで浅野は知りません。自身も将軍の使い「朝賀使」として京へ赴き、江戸へ戻ってから丁寧に浅野を指南するつもりであった吉良は食当たりという偶然から時間を空費し、勅使到着の直前になって浅野への指南を始めたことが不幸の始まりでした。

時間がない焦りから来る吉良の手厳しい指摘、これをイジメと感ずる浅野の狭量、そのイジメを何とかしてもらうため家宝の茶道具「交趾の大亀」を吉良に差し出す浅野、賄賂が欲しいのではない、勅使御馳走役に不行き届きがあれば幕府における地位を失うのだ、茶道者として「交趾の大亀」は垂涎の的であるがこれを受け取っては厳しい指南も賄賂のためと評されるので受け取らない吉良、その後も吉良を誤解し続け、面目を失った思いに陥り江戸城中で吉良を斬りつけた浅野、・・・「十八年の時の長さと、わずか四日しか余裕のなかった時の短さ」・・・分かる気がします。

この作品を読むと、浅野家の江戸家老は何をしていたのだろうか、と思います。殿の言葉から断片的にでも城中の空気を嗅ぎ取り、殿が窮すれば、前年に勅使御馳走役を勤めた大名家から指南を受けたり、吉良家の家老と連絡するとか、家臣としてすべきことは色々あったと思います。

短編集にはこの他、殿から禄を召し上げられたのに討ち入りに参加した千馬三郎兵衛を描いた「千里の馬」、仕官に苦労した堀部安兵衛の憤りを記した「剣士と槍仕」、大石内蔵助の心を映した「十三日の大石内蔵助」、吉良屋敷に中間として暮らしながら大石を慕う心と武士としての仕官の道に揺れる木幡信兵衛の心に迫る「下郎奔る」(何れも私の読み方です)が収録されています。

私の心に一番残るのはやはり、「その日の吉良上野介」、次に「下郎奔る」です。この2作品によって私は、多くの社員を持つ社長が、感情に走って会社を潰して良い訳がないこと、いつまでも自分だけの価値観に閉じこもってはならないこと、を学びました。作者は司馬作品との類似点を指摘されたそうですが、私は池宮さんの文章が好きです。

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2008年5月12日 (月)

事件報道雑感

「全身やけど、灯油かぶった男、取調室でたばこ引火し死亡」

512101分配信 毎日新聞その他報道からの雑感)

愛知県熱田警察署で、痛ましい死亡事故が起きました。

報道によれば、同居女性と口論となった男性が路上に出て、駆けつけた警察官の前で頭から灯油をかぶり、ライターで火をつける仕草をしたことから男性を保護した、警察署で男性は灯油まみれの服を着替えることなくたばこを吸わせることを要求し、警察官が取調室でたばことライターを与えたところ、着衣に火が点いて男性は全身やけどをして死亡した、とのことです。

遺族の方の悲しみとショックは大きく、また、保護したのに死なせてしまった現場の警察官は悔やんでいることでしょう。しかし、彼らの上司たる当直責任者 ~ この位の署では警部以上の階級で、課長や課長代理の立場の警察官が当たると思います ~ は果たして正しい指図をしたのでしょうか?

迷子や認知症老人と違って、こういうケースでの保護は本人が興奮してかなり大変だったと思いますし、制止したりなだめるのが精一杯だったと思います。そういう時に一歩離れて冷静に部下を指図するのが責任者だと思いますが、的確な指示をしたのかどうか、報道されていないので分かりません。もしも偉いさんが見ていながら、灯油まみれの服を着た男性の喫煙を許したり、いつまでも取調室でこう着状態であるのを改めさせなかったとしたら、亡くなった男性も気の毒ですが、部下の警察官も不幸です。

最近、凶悪事件で警察官が河川敷や山中を捜索する映像がよく報道されていますが、彼らが横一列になって徹底的に捜索する場面を見たことがありません。青い服を着た「捜査員」なる警察官が、棒で思い思いの場所を突いているだけにしか見えないのは、私だけでしょうか?警察は階級社会と言われていますが、一糸乱れぬ統制のもとに活躍しているようには見えません。熱田署の事故も、こういう上司の弱さが原因とは言えないでしょうか?

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私の読書感想文

「死ぬことと見つけたり」隆慶一郎作、新潮文庫上下巻

佐賀鍋島藩に伝わる武士道「葉隠」を独自の解釈で書いたこの物語を、私はもう何回も読んでいます。鍋島武士独特の心の鍛錬法である、毎朝様々な死に方を詳細に思念、つまりイメージトレーニングし、死の場面にうろたえない稽古を続ける鉄砲の達人杢之助、切腹を命ぜられるほど殿様から憎まれた家老を父に持ち、自分も家老に出世して殿様にモノを言おうと目指す求馬、江戸でけんか相手を斬り殺して浪人させられた萬右衛門、・・・この、平気で人を斬れる男たちが繰り広げる騒動を軽妙に表現した文章は、読む毎に人間社会の「生き方」を思わせられ、読後暫くするとまた読み始めてしまいます。

困窮すると平気で藩の年貢行列を襲撃する父を持つ杢之助は、萬右衛門、求馬と組むと大活躍です。老中松平伊豆守が鍋島藩取り潰しに動けば陰に陽に命を狙って老中を怯えさせ、遊郭吉原でけんかを売られれば相手の旗本奴を切り捨て、天領長崎の町年寄高木彦右衛門の「男の急所」を銃撃し、ついには高木屋敷を襲撃させる、嵐の海で破船寸前の殿の御座船を救ってみたりと、急展開する事態に思わず頁が進みます。それでいて物語は決して殺伐としておらず、杢之助の忍ぶ恋や、女郎屋の禿の涙に肩入れしたりと、温かみのあるところもあって、読む毎に彼らの心を新発見する感じがします。

勤め人はこの本を読むと勇気百倍と思います。杢之助たちは嵐の船で殿様を平気で欄干に縛りつけたり、気弱になった殿様に「当たり前です。殿は負ぶさるほうではなく、おぶう方です」とか「殿は老いぼられた」と言って憚らない。私は読後、「上司を補佐する、ということは決して耳快いことを言うことではない!」との思いを強くしました。

作者の隆さんが完成前に亡くなり、未完で終わったことが惜しまれます。傍若無人で心優しい杢之助たちの最期はどうなったのか読みたかったのに、残念です。

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