無罪イコール無実なのでしょうか?
足利事件、無期刑を執行され服役中の男性が検察官の指示で釈放されました。
容疑者として捜査の対象となった男性が当初犯行を否認しながらも被害者のシャツに着いていた体液と男性のDNA型が一致して逮捕、その後の取り調べで自白した、捜査機関にとっては順風万帆な事態だったと思います。
裁判で残った証拠の内、容疑者に不利益をもたらしたのはこの鑑定結果だけとなったものの、最高裁で鑑定書の有効性を認めて無期刑が確定した訳ですが、そのDNA型鑑定を今回否定する新鑑定結果が出たのでは、再審で勝ち目がないと見て釈放したのでしょう。
しかし、釈放された男性は被害者のシャツにDNAでクロとされるモノを着けなくても犯行に及ぶことは可能だったと思います。19年の歳月は当時の状況を再現する新証拠を発見することを極めて困難にしています。当時、DNA型が一致しない、との鑑定結果が出たら警察はもっと慎重に捜査を進めたと思います。
私は、釈放された男性を「それでも犯人だ」と言うつもりはありません。唯一の有罪の決め手、DNA型が違う、と出たのでは再審無罪は間違いないでしょう。しかし、アリバイが立証されたり真犯人が出現したりしない限り、無実の証明も不可能だと思います。
よく無罪判決の報道は「無実」と主張していますが、これは慎重に報道すべきです。「灰色無罪はない」と言う法律家がいますが、「疑いは残るが被告を犯人と断定する証拠が見られない。」判決では普通の感覚として灰色です。また、真に無実でも、その証明は困難です。
DNA型鑑定、・・・・・・・・・指紋と違って結果がホシをクロとしたりシロとされたり、不確かですね。このままではDNA型鑑定を証拠とする裁判員裁判で、民間から法廷に参加する裁判員さんたちが大いに迷うでしょうね。「この証拠で死刑にして良いんだろうか?」との迷いから抜けることはできないと思います。
大切なことは、警察が複数の証拠立てで公判に臨むことです。当時もっと聞き込みをすべきだった、あの時出ていた証言をもっとよく捜査すれば良かった、と捜査側では思っているでしょう。このままでは一番可哀そうなのは被害者のご遺族です。
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